こうした課題の解決にお役立ていただけるよう、このたび Google は Google タグ マネージャーとタグ マネージャー 360 にサーバーサイドのタグ設定機能を導入いたします。この機能を使えば、サードパーティ タグの多くをお客様のサイトから外し、お客様の Google Cloud アカウントでホストされる新しいサーバー コンテナに移すことができます。すると、ユーザーがお客様のサイト内のページを操作した際に、サードパーティ タグがサイトではなくサーバー コンテナで直接読み込まれるようになります。これにより、ページの読み込み時間が短くなり、ユーザーのデータに対するセキュリティが向上し、データのコントロールが強化されます。
サードパーティ タグをサイトから移行すると、ユーザーがサイトを訪問した際に読み込みが必要なタグが減り、ページの読み込み時間が短くなります。最近実施された調査では、モバイルサイトのページの読み込み時間が短縮されたことにより、商品購入までのプロセスの各段階におけるコンバージョン率が調査対象のすべてのブランドで向上しました。たとえば、小売業のサイトの場合、モバイルサイトの読み込み時間が平均 0.1 秒減少するごとに、平均注文額が約 10% ずつ上昇しました。
ある e コマースの小売業者が、マーケティング キャンペーンを実施し、ユーザー行動を測定するために、テクノロジーを提供するさまざまなパートナー企業のサービスを利用していたとしましょう。この企業が新しいパートナー企業のサービスを利用して、メール マーケティングのキャンペーンなどを実施するには、これまでは自社のサイトにサードパーティ タグを追加して、成果を測定できるようにする必要がありました。今後はその代わりに、タグ マネージャーで自社のサーバー コンテナに新しいタグを設定しておけば、ユーザーがサイトにアクセスした際に、ページが読み込まれた後で、新しいタグがサーバー コンテナで起動するようになります。このようにすることで、ユーザー エクスペリエンスに影響を与えることなくキャンペーンの成果を測定できるようになります。
お客様のビジネスとオンラインでやり取りしているユーザーからは、さまざまな情報が提供されます。その情報については、安全性を維持し、承認済みのパートナーだけがアクセスできるようにする必要があります。
サイトに直接実装されたサードパーティ タグは、ユーザーがお客様のサイトに入力した他の情報にアクセスして操作することができます。サーバーサイドのタグ設定機能を使って、サードパーティ タグを Google Cloud プロジェクトのセキュリティで保護されたサーバー コンテナに設置すれば、サーバー コンテナ内のタグがアクセスできるのはサーバーに送信された情報のみとなり、サイトに入力された情報にはアクセスできなくなります。さらに、このタグはサーバー コンテナ内に設置されているため、タグが収集した情報やその送信先を把握することが可能です。
現在、タグ マネージャーでは、サンドボックス化された JavaScript、コミュニティ テンプレート ギャラリー からすぐに使えるタグのテンプレート、あらゆるサードパーティ タグを対象とする権限モデルを使って、サードパーティ タグの挙動をコントロールできるようになっていますが、これらの機能はすべてサーバーサイドのタグ設定でも引き続きご利用いただけます。
サーバー コンテナに追加したそれぞれのタグは、どの Cookie にアクセスするか、どこにデータを送信するかなど、挙動を宣言する必要があります。また、タグに許可する挙動を自動的にコントロールできるように、ポリシーを設定することも可能です。これにより、コンテナに追加した新しいタグに必ず同じ権限が付与されるようになり、以降はタグの挙動を定期的にチェックする必要がなくなります。
サーバーサイドのタグ設定機能は、タグ マネージャーとタグ マネージャー 360 の全アカウントでご利用いただけます。タグ マネージャーのアカウントにログインし、新しいサーバー コンテナを作成して、新規または既存の Cloud アカウントと接続してください。サーバーサイドのタグ設定機能の設定手順については、こちらのガイドをご覧ください。タグ マネージャーのアカウントをお持ちでない場合は、無料で作成していただけます。
投稿者 : Ben Fisher(Google タグ マネージャー担当プロダクト マネージャー)