担当チームは 2015 年に、3 か月間にわたってアトリビューション 360 のテスト運用を行いました。テストの舞台となったテレビ広告キャンペーンのターゲットは、キャリアの強化や転換を目指す 25~54 歳の女性。Open Colleges の主要ユーザー層です。料理番組、シリーズ番組、連続ドラマ、ニュース、モーニング ショーなど、さまざまなテレビ番組で広告放映が試みられました。
テスト運用の結果
アトリビューション 360 のおかげで、テレビ視聴者を引き付けたり情報の検索を促進したりするためにどういった番組の放送枠が有効かは一目瞭然でした。大量のインプレッション(広告の閲覧数)を稼げるのはニュースやモーニング ショーですが、リード獲得に大きな効果を発揮するのは「エレンの部屋」や「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」などの軽い娯楽番組でした。また、最もエンゲージメントが活発なのは土曜日でしたが、費用効率が高い(平均 12%)のは月曜日と火曜日の放送枠であることがわかりました。
「時間帯別の成果、CM の 15 秒版と 30 秒版の比較、フライティングなど、キャンペーンのさまざまな面について、これまでは難しかったような深い分析が得られました」と Open Colleges のブランド&コミュニケーション責任者 Matt Hill 氏は話します。
また、テレビを見ながら別のデバイスを眺めるユーザーにあっては、エンゲージメントは PC よりもモバイルのほうが、またタブレットよりもスマートフォンのほうが、はるかに活発であることがわかりました。
「ソファーに座ってテレビ広告を見ている人は、気になることがあったからといってノートパソコンをテレビの前に運んできたりはしません」と Hill 氏は話します。「スマートフォンを引っ張り出して、その場で当社の情報を検索するのです。」たとえばゴールデンタイム(18~22 時)のテレビ広告放映によるものとされるアクセスのうち、81% がモバイル由来のものでした。
戦略への反映
テスト運用の結果が出始めると、Open Colleges の担当チームは得られた知見を活用し、キャンペーン、広告購入、クリエイティブなどに反映していきました。発見のひとつは、テレビ広告の放映によってユーザーからの反応が生じているときは、「オンライン講座」などのキーワードに対して最上位またはそれに近い掲載順位で検索広告を表示する必要があるという点でした。「検索広告の入札戦略はテレビ広告と連動させる必要があります」と Hill 氏は言います。「テレビ広告によって、オンラインの教育コンテンツについて検索するモバイル ユーザーが増えているときに、検索広告が表示されていなければ、せっかくの投資を十分に活用できないことになります。」
最初の 3 か月間で、Open Colleges の主要ターゲット層(25~54 歳の女性)において大幅な成果向上が見られました。これを受けて担当チームは、西オーストラリア州で小規模なユーザー層をターゲティングしたり、オフピークの時間帯の番組での CM 放映を試みたり、15 秒版の CM の投資収益率が最も高くなる時間帯を探るなど、さまざまな新しいアプローチを試しているところです。
「従来の指標だけではもう不十分と言うほかありません」と Hill 氏は話します。「マーケティングへの投資が具体的にどういった成果を生んでいるのか知る必要があります。テレビ アトリビューションはそれを明らかにするとともに、テレビ広告はビジネス指標の面で確実な成果をもたらす手法だという確信を与えてくれました。コンバージョンへの道筋を理解し、オフライン広告への投資がもたらす効果を把握して投資収益率を高めたければ、アトリビューション 360 は必携のツールです。」