この記事は、Google ブログ記事 「Introducing the new Analytics 360」を元に構成しております。
新しいアナリティクス 360 のご紹介
2021 年 10 月、Google は新しい Google アナリティクスがリリース予定であることを発表しました。プライバシーに配慮したソリューションと機械学習技術を中心に据えた新しい Google アナリティクスは、測定環境の進化に伴う課題への対応と、長期的なマーケティングの費用対効果の向上にご活用いただけます。Google アナリティクス 4 プロパティから構成された新しいアナリティクス 360 は、大規模な広告主様や代理店様の測定ニーズにお応えできるよう、柔軟なカスタマイズや拡張が可能となっており、企業向けのサポートも充実しています。本日はこうした機能を詳しくご紹介していきます。
大規模な企業では、複数のチームがそれぞれの職務や担当商品、市場によって異なるインサイトを必要としている場合があります。たとえば、米国、カナダ、メキシコの各チームが 4 つの商品ラインに関するデータを確認して、それぞれの市場で売り上げが伸びている商品を把握する必要があるとします。新しいアナリティクス 360 では、各国のチームごとに 4 つの商品ラインのサブプロパティを作成して、個別に設定をカスタマイズできます(各国でのキャンペーン展開に使用している Google 広告アカウントや Google マーケティング プラットフォーム アカウントをそれぞれの国のチームとリンクするなど)。
また、各国の分析チームが担当市場のすべての商品ラインの集計データを確認し、地域で売り上げが伸びている商品を把握する必要があるとします。このような場合も、4 つすべての商品ラインの統合プロパティを米国、カナダ、メキシコの各チーム用に作成することで簡単に対応できます。これにより、自社の商品に関心を持っているユーザーを詳細に分析し、そのインサイトを他の地域のチームと共有できます。統合プロパティとサブプロパティはアナリティクス 360 でのみ使用可能で、今後数か月のうちにリリースされる予定です。
この新しいアナリティクス 360 では、独自のユーザー役割を作成して、特定のユーザー グループがアクセスできる機能をコントロールすることもできます。たとえば、代理店パートナー用の役割を作成して、自社のウェブサイトでコンバージョンを伸ばしているキャンペーンを把握できるようにしつつ、収益や自然検索トラフィックに関するデータにはアクセスできないよう設定することができます。また、顧客の獲得など特定のトピックに関するレポート コレクションにカスタムのユーザー役割を割り当てることもできます。これにより、チームやパートナーはポリシーを遵守しながら必要なデータにアクセスできます。カスタムのユーザー役割やレポート コレクションへのユーザーの割り当ては、今後数か月のうちにアナリティクス 360 のすべてのアカウントでご利用いただけるようになる予定です。
新しいアナリティクス 360 は、ビジネスの成長やニーズの高まりに応じて拡張できます。使用できるカスタム ディメンションは最大 125 件、オーディエンスは 400 件、コンバージョンの種類は 50 件まで上限が引き上げられました。独自の分析を行いたい場合は、アナリティクス 360 から 1 日あたり何十億ものイベントを BigQuery にエクスポートできます。アナリティクス 360 のデータ探索モジュールで非サンプリング データに直接アクセスして、より詳細な分析を行うことも可能です。
上限の引き上げに加えて、アナリティクス 360 の管理画面や API で 1 日の連続的なデータを確認できるようになります。通常、データは収集後 1 時間以内に表示され、ブラック フライデーなどのビジネスにおいて重要な時期にほぼリアルタイムですばやく意思決定を行えるようになります。
アナリティクス 360 のご利用には、データの収集、レポート作成、処理、アトリビューションといった多くのサービス機能に対して法的なサービス契約(SLA)が適用されます。また、BigQuery の日次エクスポートについても初めて SLA が導入されます。これにより、独自の分析も安心して行っていただけるようになります。
複数のチームでアナリティクス 360 を使用している場合は、アカウント設定の変更を細かくチェックしたいというご要望もあるでしょう。新しいアナリティクス 360 では、変更履歴の機能が向上し、新しい Google 広告アカウントがアナリティクス 360 のプロパティとリンクされたときや、新しいコンバージョンの種類が作成されたときなど、設定の編集履歴を確認できるようになります。また今後、より高度な監査機能を追加し、データにアクセスできるユーザーやプロパティの変更を詳しく確認できるようにする予定です。
新しいアナリティクス 360 は、現在オープンベータ版として既存のアナリティクス 360 契約をお持ちのすべてのお客様にご利用いただけます。お使いの Google アナリティクス 4 プロパティをアナリティクス 360 ベータ版にアップグレードするには、こちらの手順を行ってください。
この記事は、Google ブログ記事 「Meet your marketing objectives with the new Google Analytics」を元に構成しております。
新しい Google アナリティクスを活用してマーケティング目標の達成を
Google は 1 年前、測定環境の進化に伴う課題への対応と、長期的なマーケティングの ROI 向上に役立つ、新しい Google アナリティクスをリリースしました。Google アナリティクス 4 プロパティでは、プライバシーに配慮したソリューションによるカスタマー ジャーニーの測定が可能で、機械学習技術を使用して成果を予測、インサイトの抽出が自動化されます。さらに、こうしたインサイトを Google の広告プラットフォームで活用し、マーケティング活動を強化することも簡単にできます。
そのリリース以降も、ユーザーのプライバシーを侵害することなくマーケティング目標を達成していただけるよう、広告レポートの改善やユーザーの同意に関する選択のサポートなど、さまざまな機能をリリースしてきました。
そしてこのたび、マーケティング チャネル全体でのパフォーマンス最適化に必要なインサイトを取得できる、Search Console との統合やよりスマートなアトリビューションといった機能が新たに追加されます。また、データの欠落を補正し、測定を長期的に有効なものにする新たなモデリング機能もリリースされます。
新しい Google アナリティクスは、このように機能がますます充実したものとなっております。ウェブ及びアプリのメインの分析ソリューションとしてぜひご活用ください。
Search Console では、オーガニック検索におけるウェブサイトのパフォーマンスについて、検索結果での掲載順位、クリックにつながったクエリ、ポストクリック データ(エンゲージメント セッションやコンバージョンなど)といった詳しい情報を確認できます。この Search Console との新たな統合により、他のマーケティング チャネル(検索広告、メール、ソーシャルメディアなど)と比べて、オーガニック検索が集客やサイトでのエンゲージメントにどの程度影響しているかを把握できます。
今年初めにお知らせしたとおり、「コンバージョン経路」と「モデル比較」の 2 つのアトリビューション レポートをベースとした、データボリュームの最小要件のないデータドリブン アトリビューションが Google アナリティクス 4 プロパティに導入されます。
Google のデータドリブン アトリビューション モデルでは、マーケティング活動が全体としてコンバージョンにどのように影響しているかを詳しく把握できるので、1 つのチャネルを過大または過小に評価する事態を防ぐことができます。最後の接点に 100% の貢献度が割り当てられるラストクリック アトリビューション モデルとは異なり、データドリブン アトリビューションでは、コンバージョンを促進した度合いに応じて各マーケティング接点に貢献度が配分されます。
データドリブン アトリビューションによるチャネル グループ別のコンバージョン
データドリブン アトリビューションによって、どこにどれだけ投資すべきかをスマートに判断し、より少ない費用でより多くのコンバージョンを獲得できるようになるため、マーケティングの投資対効果が向上します。また、機械学習技術を利用して、コンバージョンの測定が難しい場合でも結果を出せるので、持続性にも優れています。美容関連商品の e コマース プラットフォームを運営する Notino では、Google アナリティクス 4 のデータドリブン アトリビューションが同社の測定戦略において不可欠となっています。
データドリブン アトリビューション モデルには、ラストクリック モデルと比べて多くのメリットがあることがわかったので、23 の市場で標準モデルとして採用しています。Google アナリティクス 4 で次世代のアトリビューション レポートを使用できるとのことでとても期待しています。 Matěj Slavík 氏(Notino パフォーマンス マーケティング担当責任者)
データドリブン アトリビューションは、今後 アトリビューション レポートでご利用いただけるようになる予定です。続けてすぐにプロパティ レベルでもご利用可能になり、コンバージョン レポートとデータ探索ツールにアトリビューションを適用した収益とコンバージョンが表示されるようになります。
新しい Google アナリティクスでは、Google の高度なモデリング技術により、Cookie などの識別子を使用できない場合のカスタマー行動データの欠落を補正できます。この技術では、過去の膨大なデータを分析し、主要なデータポイント間の相関関係や傾向を導き出して、カスタマー ジャーニーの予測に活用します。
Google アナリティクス 4 には、他にもいくつかのモデリング機能が導入されています。その 1 つは、アトリビューション レポート、コンバージョン レポート、データ探索ツールに導入されるコンバージョン モデリングです。このモデリングは、コンバージョンの発生元の特定に使用されるほか、検索広告、メール、有料ソーシャルなどの Google や他のチャネルにコンバージョンを適切に割り当てるためにも使用されます。
もう 1 つは行動モデリングで、まもなくレポートで使用できるようになる予定です。行動モデリングでは、厳密なテストを経た検証済みの機械学習技術を使用して、1 日のアクティブ ユーザー数やユーザーあたりの平均収益などの行動データの欠落を補正します。これにより、異なるデバイスやプラットフォーム間で一貫性のある測定が可能になり、「前回のキャンペーンで獲得した新規ユーザー数は?」、「目標到達プロセスの中でユーザーの離脱率が最も高いポイントは?」といった問いに答えられるようになります。
多くのお客様が実際に、新しい Google アナリティクスを使用して、見込み顧客の開拓、新規ユーザーの獲得、オンラインとオフラインの販売促進といった主要なマーケティング目標を達成し、成果を上げておられます。Walmart Chile が所有する食料品スーパーの Líder では、予測指標とオーディエンスを使用してアプリ内購入を促進しています。予測される購入行動に基づきアナリティクスで生成された「7 日以内に購入しそうなユーザー」という新しいオーディエンスを対象にマーケティングを行うことで、コンバージョン率が他のオーディエンスの 0.3% と比べて 5.4% まで上昇し、一方でアプリ キャンペーン全体のコンバージョン単価は 85% も低下しました。
新しいアナリティクスが当社のビジネスにもたらした価値を目の当たりにしたので、他の新機能も Google アナリティクス 4 プロパティで使用できるようになったらすぐに取り入れるつもりです。 Esteban Bascur Heredia 氏(Walmart Chile マーケティング テクノロジー担当マネージャー)
また、世界的な美容ブランドの L’Oreal では、新しい Google アナリティクスを使用して、将来に向けた測定基盤の見直しを図り、組織全体のビジネス インサイトの発掘プロセスを効率化しました。
Google アナリティクス 4 のおかげで、高度なデータの使用や分析を誰もが行えるようになり、インサイトにたどりつきやすくなりました。この移行によって、メディアの分析とサイト内の行動分析を 1 つのインフラストラクチャに統合、意思決定を効率化できました。 Selim Decoufled 氏(L'Oréal CDMO グローバル分析担当マネージャー)
今こそビジネスの未来に必要な測定基盤を築くベストなタイミングです。Google アナリティクス 4 プロパティを最大限に活用して、ユニバーサル アナリティクスに代わる測定ソリューションの基軸としてぜひお役立てください。
この数年で情報入手ツールやお客様の保険の契約形態が多様化してきていて、これまでのように「資料請求」という単一のゴールだけでは効果が推し量れなくなっていると感じていました。そんな中、昨年起こったCOVID-19が、これまで以上に保険の需要を高めました。我々としてもこうした保険の需要の高まりに対して、単なる「資料請求」ではなく「保険相談」に重み付けするべきだと考えたのです。COVID-19は同時に、世の中の「オンライン化」を当たり前にし、保険相談の形態も「オンライン」が一般的になりつつありました。これが後押しとなり、ストレートに「保険相談」をKPIとした広告運用を行うべく、この取り組みを一気に推進したのです。現在は、「保険相談」「保険会社見積」も含めた最適化で配信を行っております。「保険相談したい」ユーザー、「自分で見積を取りたい」ユーザーは属性や行動履歴に違いがある可能性があるためです。次の段階では、Google の各種プロダクトをさらに活用する事により、各ユーザーの行動パターンを予測し、ユーザーに最適なコンテンツを提示、Directional UXにて最適な出口に誘導するなどを実現したいと考えています。
本日は、Google が提供しているソリューションを利用したアフィニティ分析に先駆けて取り組まれた NTTドコモ様と Google マーケティング プラットフォーム (以下、GMP)セールス パートナーの電通デジタル様の事例をご紹介します。
dマガジン(図1)は 2014 年より NTTドコモが提供している電子雑誌の定額読み放題サービスです。
dマガジンではアプリの利用客が多いため、マーケティングとして Google 広告のアプリキャンペーンをよく活用しています。しかし、アプリキャンペーンの場合はターゲティングを選択せず、機械学習によりターゲティングが自動的に選択される為、同一キャンペーン、広告グループ内で複数ジャンルの書影クリエイティブを配信する場合、書影ジャンルとターゲットのミスマッチが起こる可能性が想定されます。これを改善するためには書影ジャンルごとのターゲティング精度の向上が広告の運用上、必須となってきます。
上記の課題を解決するため、dマガジンは電通デジタルが提供する ソリューション 「Affinity Visualizer」 を活用しました。
アプリキャンペーンを行い、配信データを 「Affinity Visualizer」に蓄積し、得られた知見を活用しながら下記の 3 つの施策を行った結果、獲得効率 10 % 改善、獲得件数 50 % 増加に成功しました。
1. アフィニティの発掘
新規獲得のためのアプリキャンペーンから取得した匿名化されたデータを電通デジタルが開発した Affinity Visualizer (図2)に繋げ、キャンペーン毎にどの興味関心軸が広告効果に対して貢献度が高いかを可視化し、次に狙うべきユーザーのセグメンテーションを見つけることができました。
2. 親和性の高いクリエイティブ開発
書影ジャンルごとにユーザーの興味関心を明確にすることで、ユーザーの興味関心に合致するクリエイティブ訴求の設計を行いました。
3. アプリ内イベント別の最適化配信
インストール、アプリログインとより深い地点のアプリイベントの最適化を行いました。
dマガジン ご担当者様より
“これまで取り組めていなかった新規ターゲットの発掘ならびにGACでの課題であった、オーディエンスとコンテンツのマッチング施策に踏み込む施策として機能しました。今後はこの取り込みを踏まえ、さらにオーディエンスとコンテンツの配信精度を高めつつ、クリエーティブのバリエーション出しにも取り組んでいきます。”
電通デジタル ご担当者より
“事前にセグメントを分けて配信しなくても、後から自由に分析できる点で使い勝手の良いソリューションになっています。今回のような自動拡張系のターゲティングメニューの深堀分析と打ち手への接続のほかに、30代女性などのデモグラターゲティングで認知系広告を実施されているクライアントが、PDCA をしやすい適切な粒度にターゲットを分割するために利用されるケースもあります。従来も属性分析ソリューションはありましたが、今回は Google の持つ属性で分析ができ、分析結果をそのまま Google 広告での配信に繋げられる点が他にはない特色と考えています。”
“事前にセグメントを分けて配信しなくても、後から自由に分析できる点で使い勝手の良いソリューションになっています。今回のような自動拡張系のターゲティングメニューの深堀分析と打ち手への接続のほかに、30代女性などのデモグラターゲティングで認知系広告を実施されているクライアントが、PDCA をしやすい適切な粒度にターゲットを分割するために利用されるケースもあります。
従来も属性分析ソリューションはありましたが、今回は Google の持つ属性で分析ができ、分析結果をそのまま Google 広告での配信に繋げられる点が他にはない特色と考えています。”
投稿者: 姜 哲浩 (広告営業本部 データソリューションチーム)米谷 仁美 (gTech 技術コンサルタント チーム)
規模の大小を問わず数多くの企業が、顧客の好みを把握し良質なエクスペリエンスを提供するために Google アナリティクスを利用しています。商取引のオンライン化が進み、企業がマーケティングの投資収益率を高める必要に迫られる中、デジタル アナリティクス ツールから得られるインサイトの重要度が増しています。
しかし、生活者の行動が大きく変わり、プライバシー重視の流れによって長年の業界基準が変化しているいま、現在のような分析手法では状況に対応できません。Forrester Consulting が実施したアンケート調査では、マーケティング担当者は、分析の活用方法を改善することが最優先事項であり、既存のソリューションでは、包括的な顧客情報を取得してそこからインサイトを抽出するのが難しいと回答しています。
マーケティングの投資収益率(ROI)の長期的な改善をサポートするために、Google では、よりインテリジェントな次世代の Google アナリティクスを開発しています。この新しいアナリティクスは、昨年ベータ版として導入されたアプリ + ウェブ プロパティを基盤にしています。機械学習を軸に、有用なインサイトが自動的に提示されるため、複数のアプリやプラットフォームにまたがって顧客のことを包括的に理解できます。新しいアナリティクスはプライバシー重視の設計となっており、Cookie や ID に関する制限事項などの業界の変化によってデータに不足が生じた場合でも有効活用できます。新しい Google アナリティクスなら、将来に備えるために不可欠なインサイトを得ることができます。
新しい Google アナリティクスでは、Google の機械学習モデルを利用し、ユーザーのニーズの高まりを受けて製品の需要が高まっている時など、データに重要な傾向が現れたときに自動的に通知を受け取ることができます。さらに、顧客が取り得る行動の予測も可能です。たとえば、離脱の可能性を算出することで、マーケティング予算に余裕がないときに、顧客維持により効率よく資金を投じることができます。今後も引き続き、特定の顧客グループから獲得できる収益の推定値など、新しい予測指標を追加していきます。こうした機能を利用してオーディエンスを作成することで、より有望度の高い顧客に働きかけたり、分析を実行して、なぜ特定の顧客の予想支出額が他の顧客より多いのかを突き止めたりすることができます。これにより、成果向上につながる対策を実行できます。
Google のマーケティング サービス間の新たな連携により、取得したデータを活かしてマーケティングの ROI を高めることが容易になっています。たとえば、Google 広告との連携が強化されたことで、オーディエンスを作成し、どこで顧客がビジネスと接点を持ったかにかかわらず、関連性の高い便利なエクスペリエンスを提供できるようになりました。
新しいアナリティクスは、広告主様から長い間いただいていたご要望にも対応しています。アプリとウェブをまたいで測定できるため、アプリ内とウェブ上での YouTube エンゲージ ビュー経由のコンバージョン データをレポートに表示できます。YouTube の動画ビュー経由と、Google とそれ以外の有料チャネル経由、オーガニック チャネル( Google 検索、ソーシャル、メールなど)経由のコンバージョンのデータを並べて表示すれば、あらゆるマーケティング活動の効果を総体的に把握することができます。
新しいアナリティクスでは、デバイス別やプラットフォーム別の分断されたデータではなく、顧客中心のデータを測定できます。マーケティング担当者が指定したユーザー ID や、広告のパーソナライズを有効にしているユーザーから取得した Google 独自のシグナルなど、複数の ID 空間を使用して顧客との接点をより包括的に把握できます。たとえば、ウェブ上の広告から広告主様の商品やサービスのことを知り、その後アプリをインストールしてアプリ内で購入に至った顧客がいるかどうかを把握できます。
また、ユーザー獲得からコンバージョン、顧客維持までのライフサイクル全体にわたって、顧客情報をより詳しく確認できます。ユーザーのニーズが目まぐるしく変化し、新規顧客を獲得して維持するためにはリアルタイムで意思決定を下す必要がある昨今のような状況では、こうした機能が不可欠です。お客様からのフィードバックを基に、Google では、レポートをシンプルにして再構成し、関心のあるカスタマー ジャーニーの段階に応じてマーケティング インサイトを簡単に確認できるようにしました。たとえば、ユーザー獲得レポートで新規顧客を呼び込んでいるチャネルを確認してから、エンゲージメントや維持率のレポートで、顧客の行動や、コンバージョン後も関心が持続しているかどうかを把握することができます。
今こそスマート分析などのデジタル マーケティングの基盤作りに投資し、 まだ見ぬ将来に備えましょう。そうした投資は、生活者の要求の高まりや規制の追加、ユーザーのプライバシーに関する技術標準の変化への対応にも役立ちます。新たなデータ コントロール手法により、アナリティクスのデータを収集、保持、利用する方法を適切に管理できます。また、よりきめ細かく広告をパーソナライズでき、どのようなケースでデータを活かして広告を最適化するか、どのようなケースでデータ利用を測定に制限するかを指定できます。そしてもちろん、アクティビティ データを Google アナリティクスと共有できるようにするかどうかは、今後もユーザーが選択できます。
変化し続けるテクノロジー業界を念頭に、新しいアナリティクスは、Cookie や ID を利用できるかどうかにかかわらず、将来のニーズに適応できる設計になっています。柔軟な測定手法に加え、今後はデータの不足を補うモデリング機能が導入される予定です。つまり、パンデミックからの回復期にも、見通しのつきにくいその後の世界でも、Google アナリティクスを活用して効果的にマーケティングの成果を測定し、顧客のニーズに応えることができます。
新しい Google アナリティクスは、すべての新規プロパティでデフォルトのエクスペリエンスとなります。今後もさらに改良を進めていく予定ですので、ご期待ください。既存のアナリティクスには多くのマーケティング担当者様が必要としている機能が残っているため、設定を完全に置き換えるのではなく、既存のプロパティに加えてGoogle アナリティクス 4 プロパティ(旧アプリ + ウェブ プロパティ)を新規作成することをおすすめします。これにより、現行の設定を保持したままデータ収集を開始し、今後リリースされるアナリティクスの新機能を活用できます。Google では現在、大企業のマーケティング担当者様向けに、SLA や、BigQuery などのツールとの高度な連携機能を含む、アナリティクス 360 のベータ版を準備中です。今後も追加情報をお伝えしていきます。
先月公開した記事でお知らせしたとおり、このたび Google の広告システムが欧州インタラクティブ広告協会(IAB Europe)の透明性と同意に関するフレームワーク(TCF)v2.0 に統合されました。ユーザーの同意取得のために TCF v2.0 を利用すると、Google の広告システムが透明性と同意に関する文字列を読み取り、これを尊重するので、広告主様は適用される規制を遵守することになります。
一方で、TCF v2.0 を使用されない広告主様のために、Google は、各自のユーザー同意取得ツールで Google タグを柔軟に利用するための新しいソリューション「同意モード」を導入いたします。同意モードには、グローバル サイトタグや Google タグ マネージャーを利用している広告主様向けに、広告掲載やアクセス解析を目的とする Cookie を管理するための 2 つの新しいタグ設定が搭載されています。この 2 つの設定を活用することで、同意に関してユーザーが決定を下す前後の Google タグの動作をカスタマイズできます。これにより、広告主様は広告掲載やアクセス解析の Cookie に対するユーザーの同意に関する選択を尊重しながら、コンバージョンを効率的に測定できるようになります。
広告主様にとって、コンバージョンの発生源となったキャンペーンに貢献度を割り当てることは優先度の高い課題です。これによってキャンペーンの入札単価を最適化し、成果の大きいキャンペーンに予算を割り当てることができます。同意モードを利用すると、コンバージョン データを詳しく把握できると同時に、コンバージョンの測定に使用している Google タグによって、広告掲載の Cookie に対するユーザーの同意の判断を確実に尊重できるようになります。
同意モードを導入すると、「ad_storage」という新しいタグ設定が利用できるようになります。このタグ設定は、広告掲載を目的とする Cookie の動作(コンバージョンの測定など)をコントロールします。ユーザーが広告の Cookie に同意しない場合、Google タグが広告掲載のために Cookie を使用することはありません。
たとえば、広告主様のウェブサイトを訪問したユーザーが、Cookie への同意に関するバナーで、広告の Cookie の使用に対する同意の選択を行ったとします。同意モードを実装していれば、広告掲載の Cookie をサイトで使用することについて、そのユーザーから許可を得られたかどうかを Google タグで判断できます。ユーザーの同意がある場合は、コンバージョンの測定と記録が通常どおり継続して行われます。ユーザーの同意がない場合は、該当する Google タグが設定を調整し、広告の Cookie を使用せず、通常よりも集計されたレベルでコンバージョンを測定します。
同意モードを活用すれば、広告の Cookie に対するユーザーの同意に関する選択を尊重しながら、Google 広告、キャンペーン マネージャー、ディスプレイ&ビデオ 360、検索広告 360 で運用しているキャンペーンでコンバージョンの記録を継続できます。また、キャンペーンのレポートでコンバージョンの測定を継続できるので、コンバージョンの貢献度を適切なキャンペーンに割り当て、キャンペーンの入札単価を効率よく最適化し続けることができます。
同意モードは Google アナリティクスでも使用できます。この場合、広告の Cookie に対するユーザーの同意をアナリティクスで把握し、これを尊重することになります。たとえば、同意がないユーザーに対して「ad_storage」のタグ設定が無効になると、アナリティクスで広告の Cookie の読み取りや書き込みが行われず、Google シグナルを使用している追加機能(リマーケティングなど)が無効になります。
同意モードでは「ad_storage」のタグ設定だけでなく、「analytics_storage」という新しいタグ設定を利用できます。このタグ設定はアクセス解析を目的とする Cookie の使用をコントロールします。たとえば、アクセス解析と広告掲載の両方について、ウェブサイトのユーザーから Cookie の同意を得ようとしているとします。この場合、同意モードを利用することで、ユーザーの同意の選択に応じて、それぞれの種類の Cookie に関する Google タグの動作を修正できます。また、アナリティクスでは、「ad_storage」と「analytics_storage」それぞれの設定に対するユーザーの同意に応じて、データの収集方法が調整されます。たとえば、ユーザーが広告掲載の Cookie に対しては同意しない(そのため広告掲載を目的とする設定は無効化される)ものの、アクセス解析の Cookie に対しては同意する場合、「analytics_storage」の設定は有効になるため、サイト内でのユーザーの操作やコンバージョンはアナリティクスで測定されます。
同意モードは、ヨーロッパで広告を掲載し、グローバル サイトタグやタグ マネージャーをすでに使用している広告主様に限り、ベータ版でご利用いただけます。機能の詳細については、ヘルプセンターの記事をご覧ください。
同意モードのご利用を希望される場合は、担当のアカウント チームまでお問い合わせください。同意モードをご利用いただくには、グローバル サイトタグやタグ マネージャーのコンテナの前に数行のコードを追加する必要があります。この手順をサポートできるよう、Google では複数の同意管理プラットフォームと緊密に連携しています。以下のプラットフォームは同意モードとの統合が完了しており、すぐにご利用いただけます。
ユーザーのプライバシーを保護するために規制が変更され、デジタル広告エコシステムにさまざまな影響が生じています。Google は、広告主様がこのような環境の変化に対応できるよう、サポートを提供してまいります。広告主様に実践していただける取り組みについて詳しくは、Google が作成したプライバシー ガイドブックをダウンロードしてご参照ください。また、広告掲載やアクセス解析の Cookie に対するユーザーの同意に関する選択を複数のプラットフォームで管理し、これを尊重できるように、今後も新しい機能が追加される予定です。ぜひご注目ください。